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「ストレス耐性」を見抜き、パフォーマンスの高い人材を採用する秘訣

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「ストレス耐性」を見抜き、パフォーマンスの高い人材を採用する秘訣 (ストレス耐性・採用)

採用活動を行う際の採用基準は企業によって様々ですが、「ストレス耐性」は多くの企業が重要視している項目ではないでしょうか。
能力が高い人を採用したとしても、ストレス耐性が低ければその力を長きにわたって発揮してもらうことができないかもしれません。
そこで今回は、ストレス耐性を決める要素や、ストレス耐性を見抜いてパフォーマンスの高い人材を採用する秘訣についてご紹介します。

1. ストレス耐性とは

ストレス耐性とは、ストレッサー(ストレスを感じる要因)に対する抵抗力や適応力のことです。
ストレッサーは物理的、科学的、生物的、心理・社会的要因といった様々な要因があります。例えば、新しい会社や部署での仕事、職種や役職の変更、上司や部下の変更、大事なプレゼンテーション、長時間労働、株価の変動などがストレッサーとして挙げられます。
このような変化やプレッシャーといった刺激を受けても、感情的にバランスを保ち、日々の生活や仕事に影響を与えないように適応できる力がストレス耐性であるといえます。
ストレス耐性は人によって異なります。先天的に高い人と低い人がいますが、これまでの経験や訓練によっても変化します。

2. ストレス耐性の高さを決める要素

ストレス耐性とは、多くの要素で成り立っています。その中で、一般的には次の6つの要素が深く影響していると考えられています。

①感知能力

ストレッサー(ストレスを感じる要因)に気づく力です。人はストレッサーに気づくことでストレスを感じることになるので、逆にいえば、ストレッサーの存在に気づかなければストレスを感じることがないということになります。感知能力が高い人ほどストレス耐性が低く、低い人ほどストレス耐性は高いということになります。

②回避能力

回避能力とは、ストレスを感じるような状況や人を上手く避ける力を指します。ストレスの要因から距離を取ることで、ストレスによる影響をおさえることができます。
回避能力はもともとの性格の影響が大きいと考えられており、物事を割り切って考えられる人、細かいことは気にならないタイプの人はストレス耐性が高いといえます。また、心身ともに健康な状態であれば、ストレスを回避する能力を高く保つことができるとされています。

③処理能力

処理能力とは、ストレッサーそのものを取り除いたり、弱めたりすることができる能力のことです。処理能力が高い人は、ストレスの原因となる問題を解決する力があるということです。ストレスに感じるような困難やトラブルに直面した場合にも適切な対応で解決をすることができるので、ストレス耐性が高くなります。

④転換能力

ストレスに感じる状況はネガティブなものですが、それを良い方向にポジティブに捉え直す力が転換能力です。
例えば何か失敗をしてしまった時に、失敗自体はネガティブな経験ですが、失敗から何かを学べたと考えたり、難しいことにトライした自分の経験をプラスに捉えたりすることができる人は、転換能力が高く、ストレス耐性も高い人であるといえます。

⑤容量

ストレスをどれくらい受け止められるかの容量のことです。容量が大きければストレス反応と呼ばれる症状や行動を生じさせにくく、ストレスに耐える力が高いといえます。
ストレスを受け止められる容量は心身の状況によっても変化します。

⑥経験値

過去にストレスを感じるような経験をどれだけしてきたかという経験値のことです。
過去に同じようなストレスを経験しているとストレスに対する耐性がつき、ストレスを感じにくくなったり、上手く対処できるようになったりします。そのため、ストレスにさらされた経験が積み重なるとストレス耐性が高くなると考えられますが、同様のストレスを繰り返すことが負担となり、逆にストレス耐性が弱くなってしまうこともあります。

3. ストレス耐性が高い人の特徴

ストレス耐性の高い人に多く見られる特徴についてご紹介します。

自己肯定感が高い

自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れ、それを肯定する感覚のことです。自己肯定感が高い人は自信を持っており、自分の軸を持っているので他人の評価に必要以上に左右されません。困難な状況にあっても自分なら対処できると捉えたり、失敗しても自分の価値は変わらないと捉えたりと、ストレスを感じる状況にあっても落ち込んだり不安になったりすることなく、解決に向けて進むことができます。

ポジティブ思考

ポジティブ思考とは、何事も前向きに考えることです。困難な場面であっても成長のチャンスだと捉えたり、失敗をしても次こそ上手くできるはずと考えたりすることができるのでストレスの影響を受けにくいです。

集中力が高い

集中力が高いということは、余計なことを考えずに物事に集中することができます。失敗したらどうしよう、周りにどう思われているだろうといった余計なストレスに振り回されるリスクが低いです。集中力が低いと周囲のことを必要以上に気にしてしまい、それがストレスとなることもあります。

変化に対する適応力が高い

急な物事の変化や環境の変化は、大きなストレスとなり得ます。ストレス耐性の高い人は、変化に冷静に対応することができ、それどころか変化自体を楽しむことができます。

周囲を頼ることができる

ストレス耐性の高い人は、自分の弱みを周囲に見せることができ、必要な時に周囲の人に頼ることができます。ストレスを感じても周囲のサポートを上手く活用しながら前を向くことができますし、良い人間関係を築くこともできます。

4. ストレス耐性が低い人の特徴

ストレス耐性の低い人に多く見られる特徴についてご紹介します。

責任感が強い

責任感が強いことは強みでもありますが、何事も自分がやり切らなければという強い使命感があるため、失敗をすると自分を強く責めてしまったり、自分で問題を抱え込んでしまったりする傾向があります。そのため、責任感が強すぎると大きなストレスを抱えてしまうことになりかねません。

完璧主義

完璧主義の人は、小さな間違いも気になってしまいます。自分のミスが許せずに自分を追い詰めてしまったり、周囲にも同じように完璧を求めてしまって人間関係が悪化したりする可能性があります。

意見を主張できない・相手に合わせすぎる

協調性の高さや繊細な気遣いは強みでもありますが、あまりに相手に合わせすぎて自分の意見を主張できないと、それがストレスになってしまいます。

5. ストレス耐性が低い場合のリスク

ストレス耐性が低かった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。

精神的な健康を損なう

ストレス耐性が低いと、ちょっとしたミスや職務内容の変更のような小さなことにもストレスを感じてしまい、家に帰った後も色々と思い悩んでしまったり、常に緊張状態で仕事をしなければならなかったりして、精神的な健康を損なうリスクがあります。

身体的な健康を損なう

ストレスを感じると、精神的に不安定になるだけではなく、それに伴って眠れなくなったり、食欲がなくなったりして身体的な健康も損なうリスクがあります。

パフォーマンスが低下する

ストレスを感じて心身ともに健康を損なってしまうと、仕事のパフォーマンスが低下します。会社としては生産性が下がってしまいますし、本人もパフォーマンスが低下したことがさらにストレスとなるという悪循環を起こしてしまいます。

人間関係が悪化する

ストレス耐性が低い人は不安になりやすく、孤立感や孤独感を感じたり、周囲に対してネガティブな感情を持ちやすくなり、人間関係を悪化させてしまうことがあります。

早期離職につながる

新しい業務や企業文化に適応できず、早期離職に至るリスクが高くなります。

6. 採用活動においてストレス耐性を見極めるための秘訣

ストレス耐性の高さは、パフォーマンスの高さにも大きく影響します。
パフォーマンスの高い人材を採用するために、ストレス耐性を見極めるための秘訣をご紹介します。

面接で見極める

面接では、ストレス耐性を決める6つの要素について知るための情報を収集して判断する必要があります。過去の経験を掘り下げていき、問題や困難に対してどのように感じてどのように対処していったのかという事実情報を集めて判断します。1つのエピソードだけではなく、複数のエピソードを聞くことによってより信頼性の高い情報となり、判断がしやすくなるでしょう。
また、面接中の振る舞いの中でも、ストレス耐性を判断するヒントはあります。過度に緊張している、集中力が持続していないといった特徴がないかなども見ておくようにしましょう。
ただし、面接でストレス耐性を見極めるためには面接担当者のスキルと経験が必要です。

適性検査を活用する

数回の面接だけでストレス耐性を見極めるのは非常に困難です。そのため、ストレス耐性を測ることができる適性検査を採用選考のツールとして活用するのがオススメです。
職種や組織によっては、ストレス耐性が高いことが、かえってパフォーマンス発揮の妨げになるケースもあり、社内におけるストレス耐性の特徴を把握することで、より適した人材の採用につなげることも可能です。
特にオススメの適性検査がTAL(タル)です。性格・資質などを把握することができる適性検査であり、ストレス耐性の見極めにも有用な検査です。受検者が意図を見抜くことが難しい検査方式が採用されていますので、受検者本来の特性をより詳細に把握することができるようになっています。 

7. まとめ

感知・回避・処理・転換の能力や、ストレスを受け止められる容量や経験値によってストレス耐性の高さは変わります。ストレス耐性の高さは、仕事のパフォーマンスに影響することから、採用活動において、職種なども考慮したうえで、候補者のストレス耐性を見極めることは重要なポイントといえるでしょう。
ストレス耐性は、過去の経歴を掘り下げたり、面接時の振る舞いなどから判断することもできますが、正しく判断するには経験やスキルが必要です。適性検査も併用することで客観的なデータでもストレス耐性を把握することができるので、より適切な判断ができるのではないでしょうか。

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