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新卒社員の定着率を大幅に改善!具体的な実践例3つをご紹介

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新卒社員の定着率を大幅に改善!具体的な実践例3つをご紹介

新卒社員の定着率は長年低い状態が続き、過去多くの年で70%(入社3年以内)を下回っています。
売り手市場が加速して新卒の採用自体が非常に難しくなっている中で、せっかく採用した新卒社員がすぐに辞めてしまう、といった状態はなんとしても避けたいというのが企業側の気持ちだと思います。
そこで今回は、現在の新卒社員の離職率や離職の原因と、離職率を下げて定着率を大幅に改善するための具体的な実践例3つをご紹介します。

1. 厚生労働省による最新の離職率情報

離職者が少ない場合、定着率は高いといえますが、離職率は高い数字で推移しています。
厚生労働省が2024年10月に発表している新規学卒就職者の3年以内離職状況(令和3年3月卒業者)によると、従業員規模1,000人以上の企業を除き、高卒者、大卒者の両方で30%以上の離職率となっています。従業員数が29名以下の企業においては、半数以上が離職していることがわかります。また、令和2年度よりも離職率が上昇していることがほとんどです。企業規模が大きいほど離職率は低い傾向があり、一概には言えませんが、規模の大きな企業の方が労働環境を整えやすかったり、給与を高く設定できたり、採用経験が豊富であったりすることが影響していると考えられます。

 

従業員数

高校卒

大学卒

5人未満

62.5% (+1.8P)

59.1% (+5.0P)

5~29人

54.4% (+3.1P)

52.7% (+3.1P)

30~99人

45.3% (+1.7P)

42.4% (+1.8P)

100~499人

37.1% (+0.4P)

35.2% (+2.3P)

500~999人

31.5% (▲0.3P)

32.9% (+2.2P)

1,000人以上

27.3% (+0.7P)

28.2% (+2.1P)

※()内は前年差増減
入社後1年以内での離職率は大学卒全体で12.3%ですが、企業規模や業種等によっては更に高い割合が推測されます。

2. 離職の原因

キャリアの選択肢の多様化や転職の一般化などがすすんでいるという社会的背景が全体的な定着率を下げていると考えられますが、それ以外にも定着率が下がっている要因はあります。
この章では、定着率が下がる原因(離職の原因)についてご紹介します。

2-1. 仕事内容のミスマッチ

就活生が仕事内容をしっかりと理解できていなかったり、本人のスキルや特性にあった仕事内容ではなかった場合、「やりがいを感じられない」「仕事をするのが辛い」「成長できるイメージが沸かない」といった気持ちを持ち、離職につながります。
入社前にどんな仕事内容でどんなやりがいがあるのか、どんな大変なことがあるのか、という情報も詳しく伝えて理解してもらうことや、企業側がこうした仕事をするスキルを持っているのかどうかや、どんなことにやりがいを感じるタイプなのかといったことをしっかりと理解して採用や配属を行う必要があります。

2-2. 人間関係のミスマッチ

人間関係のミスマッチは、年代問わずに離職を決意する要因として多く挙げられます。
人間関係の問題は大きなストレスが発生するため心身の健康を損ねることもありますし、モチベーションが低下して仕事の効率を低下させる要因にもなります。
職場で良好な人間関係を築けるかどうかは非常に重要なポイントですが、短い期間で判断するのは非常に難しいです。
就活生が会社のカルチャーを理解したり、企業側としても候補者がどんな特性(性格)を持った人なのかということを正しく把握して入社・採用を決定することによって、人間関係の問題が発生するリスクを軽減できるでしょう。

2-3. 評価への不満

思うような評価が得られないと、ここで働いていても正しく評価してもらえないと感じて転職しようと考える要因になります。
評価制度が整備されていなかったり、制度にそった評価がされないことが問題となることが多いですが、評価制度があってもそれを転職時に知らされていなかったり、会社側が求職者がどのような評価を望んでいるのかを理解できなかったりすることも不満を感じる要因となります。

2-4. 労働条件への不満

労働条件の中でも、労働時間や休日に関する不満を離職の理由とする新卒社員が多いです。近年は特にワークライフバランスを重視する人が増えており、残業や休日出勤が多かったり、代休が取れなかったりといった労働環境の場合、不満を感じる人が多いでしょう。もっとも離職につながりやすいのは「聞いていたのと違っていた」というパターンです。残業や休日出勤があることを覚悟して入社した場合はまだよいですが、残業は少ない、休日はしっかり休めると聞いていたのに実際は異なっているとなれば、不満はより大きなものになります。
給与面については、入社後1〜2年経った頃に、友人の給与の話などを耳にして不満を抱くケースが多いです。「こんなに働いているのに、自分の方が給料が低い…」と思うと、新しい仕事を探し始めるきっかけになってしまうのです。他にも、インセンティブの割合が多い企業で思ったよりも稼ぐことができなかったり、昇給のルールが変わってしまったりすると、離職の原因となることがあります。
勤務地に関しても、始めはどこで働いても良いと思っていても、しばらくすると「やはり地元に帰りたい」「転勤が多いのは辛い」といった気持ちが生まれることがあります。入社3年くらいの時期であれば、まだそれほど勤務地を気にせず働き続けようという方も多いとは思いますが、異動が多かったり、勤務地の希望が聞き入れられなかったりすると、長期的な勤務が難しいと考えて早めに転職しようということもあります。

3. 定着率を高めるための3つの実践例

定着率を高めるために効果的な3つの実践例をご紹介します。

3-1. 採用基準や選考プロセスを見直す

定着率を高めるためには、いかに自社にマッチした人材を採用するかという点が重要です。そのためには、どんな人を採用したいのか(採用基準)、どんな方法で採用を決定するのか(選考プロセス)を見直すことで定着率をアップさせる効果に期待できます。
自社で働く上で本当に必要なスキルはどんなものなのか、どんなタイプの人が自社の企業文化や既存社員とマッチするのかなどを徹底的に考えましょう。
その上で、そのスキルと特性を持った人を採用するためのプロセスを検討します。面接だけでは十分な情報が収集できない可能性があり、その助けとなるのが「適性検査」です。短時間で多くの情報を取得することができますので、採用に時間をかけられない企業や、面接スキルに自信のない企業であってもすぐに導入して効果を実感することができるでしょう。ライスケールによって虚偽の回答を検知したり、意図がわかりにくい問題になっていたりする仕掛けもあるので、就活生は意図的に自分のスキルや特性を操作することが難しくなり、本来のスキルや特性を知ることにも大きく役立つといえます。
収集情報量と質を高めることによって、就活生と仕事内容・人間関係などのミスマッチを減らすことができるでしょう。

3-2. 労働条件・環境を整える

労働環境が厳しい場合、特に残業や休日出勤が多い状態が続いているようであれば、新卒社員に限らず定着率が下がってしまうでしょう。
残業が続いている原因を見極め、その改善に努めましょう。業務効率をあげるためには、初期費用がかかっても各種システムの導入が効果的です。業務の自動化や効率化が進めば残業時間や休日出勤を削減できる可能性があります。遅くまで仕事を頑張っていることをよしとするような風習や、自分の意思で退社するのが難しいような雰囲気があるのであれば、それらを一新することも効果的です。
勤務地の問題は難しい点もありますが、できるだけ希望を反映した形の異動にする、異動させる場合の手当を手厚くするなどの対策を考えましょう。

3-3. 人事評価や賃金決定の基準を明確にする

適正かつ公平な評価は、従業員のやる気を引き出します。逆をいえば、評価に納得できなかった場合には不満が募ることになります。「どのような評価」を受けるかということも原因となりますが、「どうしてその評価になったのか」が不明確であれば不満はより一層高まります。評価制度が明確で納得のいくものであれば、評価に対する納得感も高まります。また、明確な評価制度のもとに適正に評価してもらえるとなればモチベーションもアップしますし、会社への信頼度も増すことになり、定着率の向上に繋がります。
人事評価に対して、どのように賃金(昇給)の決定に影響するのか、その基準を明確にしておくことも重要です。給与は生活に直結しますから、いくら評価が高くても給与に反映されなければモチベーションが低下してしまう可能性があります。どのような評価になればどのような昇給ができるのかを明確に示して従業員のやる気を引き出し、仕事に対する満足感を高めることで定着率の向上が期待できます。

4. まとめ

新卒社員の定着率は3年で概ね70%以下という低い数字で推移しています。企業規模が小さいほど定着率が低くなる傾向にあり、採用力も含めて考えると、定着率の低下は深刻な問題です。
新卒社員においては、従業員全体と比較しても離職率が高くなっていますので、新卒採用のタイミングでミスマッチのない採用を行うことが重要です。学生が企業や仕事のことをリアルに理解するのはなかなか難しいことです。適切な情報を提供して判断してもらうとともに、企業側が就活生のスキルや特性を正しく把握して採用することが必要ですので、ぜひ適性検査の導入を検討してください。
そのほかにも、労働条件や環境の改善、適正かつ公平な評価制度を設けることによって定着率の向上が期待できます。定着率をアップさせたいとお悩みの企業は、できるだけ早く動き始めることをオススメします。

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